歓悪懲悪物語
Jの独白
「お前ら全員皆殺しだ!!」
あの時,俺は一体何を考えていたんだ?
なぜ,俺は生きているんだ?
あの時・・・俺が抵抗もなにもしなければ・・・
3年前・・・
そこにいる浮浪者達に告ぐ!
ただちにここを撤去しろ!
さもなくば射殺する!
「くそっ!国防軍のやつらだ!」
「俺達がここにいるのは全て政府の政策のせいだってのに!」
「やめろ!離せ!うわあぁぁ!」
「おら!黙れよゴミども!抵抗するんじゃねぇ!」
30分そう,たったの30分で全てが終わってしまった
「ん?まだゴミが残ってたか」
「いや,やめて!こないで」
「やめろ!」
「あ?誰だ?」
「そいつから離れろ!離れないならお前を殺す!」
絶対にこいつだけは守って見せる
もう誰も失いたくないんだ!
「はっ!ゴミがなに言ってんだ!オラ!」
バキッ!
「うっ・・・・!」
「ふん,俺たちに楯突くからだ・・・安心しな!今すぐお友達と同じ場所に連れて行ってやるからよ!」
ドキュンッ!
「あっ!」
!!
嘘だろ?
一体何が起きたんだ?
俺が蹴飛ばされて・・・銃声が響いて・・・?
「うわぁぁあ!!」
「Jお願い・・あなただけは絶対に生き延びて・・・お願い・・・」
「ふん!良かったじゃないか!生きてる時間が少しだけ伸びて!」
「・・・なんで?」
「あ?」
「なぜ,あいつまで殺さなくちゃいけない?あいつが一体何をしたっていうんだ?あいつは他人の痛みを自分の痛みとして感じられるぐらい優しい奴だったのに・・なぜ?!」
「決まってるだろ?ゴミだからだよ」
どうして,生まれた場所がスラムだからってこんな目に合わなくちゃいけないんだ?
なんでここまで酷い扱いを受けなくちゃいけんだ?
何がここまで世界を・・日本を腐らせた?
そうか・・そういう事か
「お前が・・お前たちみたいな奴等がいるから!」
「何言ってんだお前?」
「黙れ!・・・お前ら全員皆殺しだ!!」
あれから3年か・・・・
俺はあれから強くなったのか?
あいつに誇れるぐらい強く・・・
「すいません,ある依頼があるのですが・・・」
「えぇ・・いいですよ,ちゃんと金さえ払ってくれるなら」
「では,お願いします」
「自分の仕事は最後まで果たしますよ・・・それでは,報告をお楽しみに」