歓悪懲悪物語
ブラッディ・クリスマス
・・・今日はクリスマスか,聖歌といっしょに怒りや悲しみの声が溢れる忌々しいあの事件が起きた日か・・・・
「お前は3年前の今日の出来事を知っているか?」
「今日?普通にクリスマスじゃないんですか?」
「いや,まぁそうなんだが,国防軍として今日が『ただの』クリスマスというのはどうかと思うんだが」
「?今日ですか?何かありましたっけ?」
あぁ・・・こいつ,何であの出来事を知らないで国防軍なんてやってられるんだ?
「お前,本当に知らないのか?」
「いや,だからなんですって・・・そういや,今日はクリスマスなのに喪服着た人がたくさんいますね,で今日なにかありましたっけ?」
こいつ,まじか?
なぜ喪服を着ている人がたくさんいるのになぜ気付かない?
「・・・・今日はブラッディ・クリスマスが起きた日だ」
「なんでしたっけそれ?」
!?
いや,なにかの冗談だろう・・国防軍じゃなくてもテレビもしくは新聞があるやつなら絶対に知ってるはずだ
「・・・東京都品川区のスラム街の焼き払いのために出動した国防軍の9割がたった一人の男のために壊滅したした事件だろう」
「へぇ~,そんなのあったんですか」
「お前が入隊した時期なら入隊テストにもあったはずだが」
「あ,あれ?そうでしたっけ」
「坂木一等,一之瀬中尉!無駄口を叩くな,今は訓練中だ!」
「あっ,権田中佐,ブラッディ・クリスマスって知ってますか?」
あっ,この馬鹿!お前中佐にもなりゃ知ってるに決まってるだろうが!
それどころか,権田中佐はあの事件に遭遇して片目を失ってんだよ!
「坂木一等」
「はい?」
「あの事件の事の話しはするな」
「は,はぁ・・・」
まぁ,当然だろうな・・・
権田中佐が激怒してあたり散らさなかったのは意外だが