ローラ×ローラ
昏い。真っ暗でよく見えない。
目元をこすると濡れていることに気づく。どうやら私は泣いていたみたい。
幸せだったあの頃の夢。温かい記憶。目を覚ましたはずなのに、こちらが夢なのではと錯覚してしまう。
上半身を起こし窓の方を見る。曇っているのか星さえ見えない。ただ、夜は明けていない。起床の時間までまだ少しありそう。再び眠ろうと横になる。でも、昨日のことが気になってなかなか寝つけない。
今だって事実と信じたくない。
心臓の鼓動が早くなる。信じたくないという心と間違いない事実に押しつぶされそうになる。
私はぎゅっと目を閉じた。目を閉じても浮かんでくる、昨日の悪夢が――