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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「許されぬ想い」 第二話

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「伸ちゃん!今日は歩きなの?」

「あっ!誠人さん・・・そうなの、車検に出しているから車が使えなくて」

「ちょっと待ってて。ボクが送ってあげるから」

「そんな、いいです」

「遠慮しなくていいから、知らない仲じゃないし」

誠人はそういうとタバコをもみ消して、駐車場の方に走っていった。

「お待たせ!」

黒いベンツに乗って伸子の横に車を停めた。

「いいんですか・・・乗せてもらっても?」

「ああ、お願いしたいぐらいだよ。さあ、乗って」

「こんな高級車初めて乗ります。すごいんですね誠人さんは」

「それほどでもないよ。お兄さんの雄一さんは気の毒だったね。きっと政治家にはめられて責任取らされたんだよ。あの会社汚いからな」

「どうしてそんな事ご存知なんですか?」

「辞めたけど、取引先に勤めていたんだ。だから、顔だけだけどお兄さんの事は知ってるよ」

「それで、下山って言ったときに直ぐに解ったんですね」

「そういうことだね。ところで伸子さんはどうして離婚したの?」

「えっ・・・はい・・・亡くなったんです」

「そうか・・・残念だったね。癌か何か?」

「ええ、そうです」

「ふ~ん、偶然って恐ろしいね。ボクの妻も乳がんだったんだよ死んだのは」

「奥様ご病気で亡くなられたんですか!」

「ああ、なんか話していると他人事のように感じられないよ。伸子さんの事もっと知りたいなあ。こんど一緒に食事でもいかがですか?」

「こんな年寄りを捕まえて・・・冗談言わないで下さい」

「年寄り?ボク幾つに見えますか?50ですよ。変わらないんじゃないの?」

伸子はそう言われてびっくりした。嘘をつき続けてもうこれ以上は騙せないと思い始めていた。