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出会いは衝撃的に(後半)

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「わたしは半端ものの息子が、一生チョンガーで過ごすようなことになっては死んだ父親に申し訳が立たないと、そればかり気に病んできました」
「まあまあ、そんなことをおっしゃってはいけません。智明さんはりっぱな息子さんですよ」
「そうですよ。篤子さん。智明さんは絵の才能があります。とりあえず私の片腕として絵画教室の講師見習いということで働いてもらいますから、もう余計なご心配は無用です。安心してください」
「えー?!そういうことも決まってるんですか?」
 最も驚いたのは当の浅野だった。
「今だよ。たった今そう思ったんだ。浅野君はタクシーの運転手で終わらせるのはもったいないと思ったんだ。絵の技法に関しては私が責任を持って指導するし、生徒への対応の仕方も丁寧に教えるからね。どうかな?」
「まあ、絵を描くことは嫌いじゃないし、老後は趣味として描きたいとは思っていました」
「お世辞じゃなく、君はいいものを持っている。将来は画家として成功するだろうとも思っていたんだ。私の後継者として、頑張ってもらえるね?」
「そう?智明さんはそんなに絵の才能があるの?」
 美絵は眼を丸くした。
「あるある。大ありだよ」
 そう云ったのは美絵の父だった。
「この子はですね、三歳の時から絵ばかり描いてましたよ。初めて画家の先生に習ったのが小学校に入ったときで、学校の先生も絵の天才だ天才だって、大騒ぎしてましたよ。これを見てください」