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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夢の中へ」 第十話

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「藤子、あなたに話さないといけない時が来たようです。今夜お父上と一緒に聞いて欲しいのです」

「何を申されたいのですか?」

「とても大切なことです。後ほどお話しましょう。今はお祈りです」

自宅へ戻ってきた藤次郎を交えてまどかは重い口を開いた。

「藤次郎様、そして藤子。よく聞いてください。母は430年未来の世界から不思議な体験をしてこの時代にやってきました。
天から降って来たという感じです。不思議な体験とは夢に毎晩甲冑姿の武将が立ち、『この子を彷徨える魂から救って欲しい。お前にしか出来ない』
そう言われたことです。

約束どおりに武将と会うとあっという間に天に昇り気を失って気付いたら藤次郎様の小屋に寝かされていました。
混乱していた自分の気持ちを落ち着けて藤次郎様の優しさに触れ婚姻をして藤子を生みました。母はその事はとても幸せに感じているし、今誰よりも大切で離れたくない二人だということを覚えておいて欲しいのです」

「まどか、どういうことだ?どこかへ行ってしまうといいたいのか?」

藤次郎は興奮気味にそう聞いた。