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CROSS 第19話 『Visitor』

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第2章 価値有り



「じゃあ、よく見てろ」

山口はそう言うと、スライドドアを器用に開けた。ドアから20メートルほど離れたところに、さっきの悪魔が背を向けて歩いていた。
「オイ!!! 何するんだよ!!!」
ベータの馬鹿でかい声に、悪魔が反応し、振り向いた。そして、すぐにまたこちらに向けて突進を始めた。

 山口は、近くに落ちていたザフト軍の自動小銃をつかむと、銃のマガジンに水色の魔力を注ぎ始めた。アルファとベータは、拘束された両手からマガジンへと魔力が注がれるのを、突進してくる悪魔を忘れた様子で眺めていた……。

   ドドドドド!!!

 山口は、魔力を注ぎ終えるとすぐに、悪魔に向けて発砲した。機関砲のような迫力ある銃声だった……。
 発射された銃弾は、水色の魔力を帯びた魔弾で、突進してきていた悪魔をバラバラにした……。細切れになった肉片が通路のあちこちに落ちている。

「……これはすげえな」

 ベータは素直に感心はしていたが、アルファは言葉が見つからないという様子だった……。



 山口たちは、彼らの荷物が置いてある部屋へ向かって、慎重に進んでいた。まるで、映画『エイリアン』のようだといえた……。山口は、アルファとベータの銃のマガジンにも魔力を注いでやっていた。

「なあ、この手錠外してくれないか? 銃を持ちづらいんだ」
不便そうに自動小銃を持っている山口が言った。
「……ベータ、手錠を外してやれ」
「だけどよ」
「彼は我々がいないと、この艦から脱出できません。モビルスーツに乗るまでのことですよ」
「……わかったよ」
ベータは仕方なく、山口の手錠を外した。そして、山口は自動小銃をちゃんと構えることができた。
「なんでこの銃の撃ち方や構え方を知っているんだ」
ザフト軍の自動小銃をしっかり構えている大日本帝国連邦軍人である山口を見て、ベータが言った。
「……オレたちCROSSは、異次元中の一通りの武器を使いこなせるように訓練している」
「それは感心だな」

 山口たちが進む通路には、ザフト兵の死体はあったが、悪魔の死骸は一個も無かった……。そして、生存者とも遭遇せず、悪魔とも遭遇しなかった。
「オレたちが、魔力がこもった弾を撃てると知って、警戒しているんだろう」
山口はそう言うと、天井の換気口を撃った。魔弾が換気口の網を貫く。
「ギー!!!」
不気味な叫び声とともに、換気口から一匹の悪魔が落下してきた。
「うわ!!!」
ベータはその悪魔に連射した。既に死んでいた悪魔は、こっぱみじんになった。
「あちこちに隠れているようだから、注意しろよ」
山口はそう言うと、アルファは足を早めた。