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CROSS 第19話 『Visitor』

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「アイツをどけろ」

山口がアルファに言ったそのとき、

   ゴキ!!!

 穴の真下にいたザフト兵が、穴から出てきた生物に首から上をガブリとやられた……。銃を撃つ暇もなく、そのザフト兵は、首無し死体となった……。

 その生物は悪魔だった……。小型で、ワニのようだが、足の筋肉が発達しており、素早そうだ。そして、牙や爪はとても鋭かった。
「撃て!!!」
通路にいた数人のザフト兵が、その悪魔に向けて発砲する。集中射撃を受けた悪魔は、その場に倒れた。ザフト兵たちはほっとしていた。
「たいしたことないじゃないか!?」
ベータが余裕そうに言った。しかし、次の瞬間、ベータは自分の考えが甘かったということを知ることになった……。

 悪魔が自己再生を始めたのだ……。最初、通路のザフト兵たちは呆然とそれを見ていたが、悪魔が復活して、すぐ近くにいたザフト兵を殺すと、また集中射撃を喰らわせた。
 しかし、その悪魔は何度も自己再生し、しかも、穴から応援の似たような悪魔たちがやって来た……。そして、あっという間に、通路にいたザフト兵を皆殺しにした。

 アルファはその地獄絵図を、幻を見ているかのような感じで見ていた……。こちらに気づいた一匹の悪魔が、こっちに向かって突進してきてもその状態だった。
「まずい!!!」
ベータがアルファを押しのけて、スライドドアを閉める。

   ガンッ!!!

 間一髪でスライドドアが閉まり、悪魔がドアにぶつかった。すぐに、悪魔は体当たりを喰らわせ始めたが、あきらめたのか、どこかへ行ってしまったようだ。



「なんだ!!! あの化け物は!!!」

 ベータが山口を問い詰めた。
「悪魔連合軍の悪魔で、『デモナータ』系のヤバイ連中だ。普通の銃弾や武器じゃあ、あいつらを倒すことは不可能だぞ」
山口が落ち着いた口調でそう言うと、
「……幽霊の次は悪魔か! 異次元ってのは狂っているな!」
ベータが悪態をついた。また遠くでドリル音がし始めた……。激しい揺れがあったり、悲鳴も聞こえてくる……。
「とにかく、早く荷物を持ってこの艦から脱出しましょう。格納庫に、私たちのモビルスーツがあります」
「また狭くなるし、こんな奴置いていこうぜ!」
ベータがうんざりした表情で、山口を指さして言った。
「駄目です」
アルファはすぐ却下した。
「オレなら、あの悪魔どもを殺せるぞ」
山口のこのセリフに、アルファとベータはすぐに反応した。
「本当か?」
ベータは信じられないという様子だ。