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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「夢の中へ」 第八話

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「お子達はお幾つになられましたの?」

「今は光慶(みつよし)が5歳、珠(たま)が11歳と暮らしておる」

「藤子と仲良く出来そうで良かったです。お年が離れていると怖がりますので」

「どうじゃ?光慶の嫁に藤子さまがなってくれたら・・・まだ早すぎるかのう、ハハハ・・・」

「お武家様の嫁になどなれるはずがございません。藤子と身分が違います」

「身分・・・か。そのようなものがこの国を危うくしている元凶かも知れんぞ。命や家族よりも大切なものと勘違いさせるからのう」

「光秀様は本当の武士だと思います」

「本当の武士?」

「はい、何を守る事が大切なのかご存知だからです」

「嬉しい事を言ってくれる。藤次郎とか言われたなそなたの夫は?」

「そうです」

「坂本城に来てわしたちと一緒に暮らさないか?」

「私達がですか?藤次郎は武士ではございませんが」

「城下で暮らせるように配慮しよう。時折登城してひろこたちと仲良くしてくれれば、光秀安心じゃ」

「ありがとうございます。戻りまして夫と相談させてください」

まどかはここで暮らした方が暖かくそして生活に不自由はないだろうと思えたが、光秀の運命を知っているだけに返事には苦慮した。
自分が歴史を変える事をすれば一生この地で幸せに暮らせるかも知れない。そんな事がふと頭を過ぎった。