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「約束とな？戦を無くすということをか？」

「はい、それと・・・木下様と手を取って国づくりをされるということです」

「うむ・・・木下殿と手を合わせて国を治めよ！と言われるのか？信長様に仕えておるのだぞ。それは申す相手が違わないか？」

「お許しください・・・言い過ぎました」

「いや、怒っておるのではない。何故信長様と一緒にと申されなかったか聞きたかっただけでござる」

「光秀様、まどかの思い付きです。そのように深くお考えになりませんように」

「悪い癖が出るのう・・・光秀はよく言われるのじゃ。考えすぎると。そして憂い過ぎるとも・・・」

「国を治めるというものは難しいことでございますね。まどかは町民で良かったと思います」

「そうか、わしもひろこ（光秀の二度目の妻）を娶ってからは幸せな日々が続いておった。道三に国を滅ぼされて全国を点々とする日々が続いたが魚を取ったり、野菜を作ったりして民百姓と同じ生活を楽しんでいた。鉄砲を撃てるということで召抱えられた越前朝倉様とのご縁で将軍義昭さまに出逢えた。
これが人生を変えた。天下布武を唱えて上洛しようとされていた信長様に義昭様を引き合わせ申した。
将軍様からのお墨付きを得て天下統一のために動き出した信長様に請われて家臣になったのじゃ。
ひろこはこの頃不満を申すようになった。忙しくて子供たちとも遊べぬゆえ母親として寂しく思っておるのだろう。是非に話し相手になってくだされ。お願い申し上げる・・・」

光秀は頭を下げて頼んでくれた。