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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夢の中へ」 第七話

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「さて、まどかとやら・・・フロイスから聞いた話じゃが、そちは外国を知っておるとか?まことか?」

「少しではありますが存じております」

「そうか、何ゆえ存じおるのじゃ?」

「お答えは出来ませぬ。お許しくださいませ」

「何故じゃ?都合が悪いことでもあるのか?口止めをされておるならその相手を申せ。わしが許せと申し渡すゆえ」

「そのようなことではございません」

「解らぬのう・・・信長がひょっとして嫌いか?」

「めっそうもございません・・・」

「よし、二人だけで話そう。心開いて話そうぞ。皆の者、下へ控えておれ!」

天守閣は信長とまどか、藤子だけになってしまった。

「これでどうだ。そちの話したことは誰にも言わぬ。約束じゃ・・・申されよ」

まどかはうつむいてしばらく言葉を出せなかった。それは決して理解される話しではないと思えたからだ。

「お許しくださいませ・・・私には申し上げられません」

「では良い!どうじゃこれを見たことがあるか?」

テーブルの上においてあった地球儀を信長は見せた。

「古いものでございますね・・・よく知っております」

「そうか!古いものと言ったな、では新しいものを知っておるのだな?申せ、どのように違う?」

「はい、ヨーロッパの辺りは正しく描かれておりますが、アジアは少し違っています」

「なんじゃ?ヨーロッパ?アジア?」

「この辺りを指してヨーロッパと呼びます。こちら側がアメリカ。そしてアジアは日本を含むこの辺りです」

「そうか。日本は正しいのか?」

「北の方は違っていると思います」

「どんな風にじゃ?」

「北海道が描かれておりません」

「北海道?北のどこにあるという?」

「東北・・・陸奥のさらに北、海を渡って広大な土地があります。そこが北海道です」

「海を渡って、まだこの国が治める土地があるというのだな」

「はい、そうです」