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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夢の中へ」 第七話

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和成は道中いろんな話を聞きながら安土に着く頃にはすっかり感化され、まどかを尊敬するようになっていた。
そうであろう、ある意味まどかはこの時代では知りすぎている人物になるからだ。

街道が緩やかに下りになって時折琵琶湖が眺められるようになってきた。藤子は初めて観る大きな湖に驚きを隠せなかった。

「ははうえ、あのようなおおきないけはみたことがありません」

「藤子、あれは池ではありませんよ。湖と言うの。琵琶湖って名前でこの国では一番大きな湖なのよ。覚えておきなさいね」

「びわこ・・・はい。おぼえました」

「お利巧ね。信長様とのお話が終わったら、傍に行って見ましょうね」

「ほんと!たのしみ・・・ははうえ、やくそくですよ」

「ええ、約束ね」

指切りをした。

不覚にも和成は再び涙をハラっとこぼした。

「和成様、どうなされました?」

「いや、不覚をいたしました。国に置いて来た我が娘と妻のことを思い出してございます」

「そうでしたか。それはお寂しゅうございますね・・・まどかはいつも藤子と藤次郎様とご一緒で幸せ者です。神に感謝しないといけません」

「神にですか?」

「ええ、いつも離さずに持っているのですよ。マリア様を」

「なるほど・・・ご信仰がきっとあなた様と家族を幸せに導いてくれると和成は願っております。さあ、もう着きますぞ」