蒼空の向こう
「はい。あの後・・・私、帰りたくなくて、お店で飲んでいたんです・・・それで、お昼前に戻ったら、マンションの前に警察が来ていて・・・私、咄嗟に隠れたんです・・・彼、手錠を掛けられて連れて行かれました・・・ずっと、警察に目を付けられていたし・・・」
「そうか・・・だったら、2年は硬いな。麻美はお咎め無しなんだな」
「再犯だから、もっとだと思います・・・それに、一緒に住んでいたのが、私とは判らないと思います。保険証とか、身元を証明する物は、何時も持ち歩いているから・・・」
「そうか・・・それで、逃げる気に・・・」
その時、ウエイトレスが注文をとりに来たので、口を噤んだ。
「先生、ホットでいいですか?それとも・・・冷たいものが?」
「いや、ホットコーヒーでいいよ」
「じゃあ、ホットを・・・それに私もおかわりを頂けますか?」
「畏まりました」
ウエイトレスが笑顔を残して去ると、麻美が口を開いた。
「先生・・・」
「うん・・・」
「彼が逮捕されたのがキッカケじゃ無いんです・・・逃げようと決めたのは・・・公園。あの時、もう一度、やり直そうって・・・そう思ったの」



