蒼空の向こう
「ええ、是非!お願いしますよ、平田社長」
西田社長は仕事を得た。賢いやり方だとつくづく思う。
「あさみちゃんも、遊びにおいで!先生もいるから・・・ガハハハ」
エレベーターのドアが開き、小さな箱に吸い込まれる様に流れ込む。
ブルーモルフォが最後に乗り込むと、小さな箱が甘い匂いに包まれた。
エレベーターが下りていく。
表に出ると、秋の朝は、まだ来ていない。道行く人も疎らだった。
平田社長、川崎部長、そして西田社長は、行き先が同じという理由で、一台のタクシーに乗り込んだ。ブルーモルフォは深々と頭を下げ、仕事を締め括った。
「じゃあ、僕はこれで・・・」
「歩いて?」
「うん・・・歩いても30分位だから、酔い醒ましに丁度いい」
「先生・・・もう少しだけ一緒に良いですか?」
「・・・別に・・・構わないけど」
「そこの公園を散歩しませんか?」
「ちょっと、待ってて・・・そこのコンビニで缶コーヒーを買ってくるから」
「はい!」
僕は、コンビニに入り、暖かい缶コーヒーを2本買い込んで戻った。
1本をブルーモルフォに渡すと、肩を並べて歩く。
空を見上げても、ネオン街に星は見えない。目線を下ろすと公園が見えた。



