蒼空の向こう
年齢は、末永と同じくらいだろうか・・・。身長は160を優に超え、膝上数センチの黒いタイトスカートから、長い脛が伸びている。
綺麗な卵形の顔。切れ長の目、長い眉。顎の左側に大きめの黒子があるが、それがチャームポイントになっていた。
緩やかにウェーブした栗色の髪が、細い肩を擽っている。薄手の、黒いセーターを着ていた。地味といえばそうかもしれないが、その美しい顔立ちが、シックで落ち着きのある、大人の女性という印象に変えていた。
「先生・・・石岡さんです・・・この人が、例の先生・・・梅雨川先生」
「はじめまして・・・石岡良子です。下で働いています・・・」
「パートタイマー?」
「はい」
「で、末永さんの彼女?」
「えっ!?・・・そんな事まで?」
「はい・・・彼女を紹介するからって・・・梅雨川です。梅雨川はじめ・・・どうぞ宜しく」
「こちらこそ・・・宜しくお願いします」
僕には、二人の関係がよく判らなかった。彼女として紹介されたから、末永の恋人なのだろう。
普段の僕なら、それ以上は聞かないし、知ろうともしない。しかし、この末永という男の、思考回路と行動に興味が湧いた。
電話が鳴った。平野が受話器を取る。若いのに、そつのない対応だった。



