蒼空の向こう
ラム酒を煽る。
南米産の、黒糖色をした、強い酒は、喉を焼きながら、ゆっくりと胃の中に流れ込んでいく。
目を閉じれば、意識が飛んでいく。左の薬指。親指でリングに触れると、暗闇の中から、恭子が現れる。そして、ゆっくり回す。
恭子との思い出が、遊園地のメリーゴーラウンドのように、キラキラと煌きながら、脳裏を駆け巡る。僕には魔法の指輪だった。到底、外す気にはなれない。
ブルーモルフォは、その美しい顔に困惑の表情を浮かべた。真意なのか、意図的なのか判らない。僕は、その場を切り抜ける策を練った。
「あの・・・あさみさん」
「はい、先生」
「僕と・・・一度、デートしてください」
「えっ!?」
「いや・・・僕とあさみさんがデートでもしないと、この場が収まりそうにないし・・・迷惑ですか?」
「迷惑だなんて・・・嬉しいです」
「よし!・・・決まったな!さすがはじめ君だ!男らしい」
僕は、水割りを一気に飲み干すと、テーブルに置いてあるマイクを握った。
「はじめ・・・歌います!」



