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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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蒼空の向こう

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「今、どれくらい作っているのですか?」

「今は未だ600という所でしょうか・・・」

平田社長が口を開いた。

「先生・・・いきなりなんて言いません。半年。半年で1,000万のラインを目指して貰えたら、それでOKです」

 僕は絶句した。半年で企画商品・・・つまり、オリジナル商品で、売り上げを倍近くにして欲しいというのだ・・・とても無理そうに思えた。僕は、西田社長の顔色を窺った。

「西田社長・・・出来ると思いますか?僕には、全く、予測もつかないんだけど・・・」

「大丈夫、大丈夫!はじめ君なら1,500だっていけるよ」

 なんという無責任な言葉・・・僕はそう感じつつも、この不思議な流れに呑まれていく自分に逆らえなかった。
 いや、半分はどうにでもなれ・・・とでも感じていたのかもしれない。広告の世界から離れてみるのも、良いかも知れない・・・。

「何時から行けば良いですか」

「来てくれるんですね!」

「ご期待に応える事が出来るよう、頑張ってみます・・・お世話になります」
「良かった!ありがとう!先生、有難う!」

 平田社長は、感情を表に出すタイプのようだ。身を乗り出して、僕の手を両手で握り締めると、大げさに振った。

作品名:蒼空の向こう 作家名:つゆかわはじめ