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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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蒼空の向こう

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「ガハハハ・・・そうそう、あさみちゃん。今日は、先生を紹介しとく。そこに座りなさい」

 平田社長に・・・座りなさい・・・と言われて、ブルーモルフォは社長の斜め横、丸い椅子にちょこんと腰を下ろした。すかさず、笑顔で水割りを作る。
 西田社長は、既に二杯目を催促していた。

 僕は、グラスを口に運びながら、ブルーモルフォを、まじまじと観察した。
 真上から照らすダウンライトのせいで、先程とは少しばかり印象も違うが、美しい青い蝶が目の前で息づいていた。

 青いドレスに、白い肌が際立っている。青と言う色は、日本人には向かない色だ。それは肌の色と関係がある。青が似合うのは白人。ブルーモルフォの肌は、其れ程に、黄色が抜けていた。

 近くで見れば、その胸元、谷間の奥までもが、キメ細かい白磁の様な質感を持っている。陶器と違うのは、その湿度。シャネルNo5.の芳香は、その湿った肌で温められ、更に熟成されてから、匂い立っているようだった。
 ブルーモルフォは両膝を揃え、斜めに落としている。中が覗けそうな程に短いブルーのドレス。ピタリと合わさった太腿は、奥で影を作って、その楚々とした所作とは反対に、熱情と劣情の両方を兼ね備えていそうで悩ましい。
はたして、それに抵抗できる男など、いるのだろうか・・・。
 シャネルNo5.は似会わない・・・もっと動物的で、官能的な香りが似合う・・・そう思った。

「あさみちゃん。こちらは梅雨川先生。今度、我が社の企画室に来て頂くんだ。有名なデザイナーさんだよ。サインを貰っときなさい」

 僕は、飲みかけのヘネシーを、吹き零してしまった。すかさず、あさみが手を挙げると、由香里がおしぼりを持って飛んできた。

「大丈夫ですか?・・・先生」

作品名:蒼空の向こう 作家名:つゆかわはじめ