蒼空の向こう
第15章 この世の果てに・・・The end of the world
1963年のヒット曲。
ブレンダ・リーが有名だったと思う。
九州最大級、福岡の歓楽街、中洲。
今から遡る事、18年。僕は、ある会社の接待を受ける事になった。
知人の伝で、その会社の企画部のアドバイザーの話がきたのだ。
僕とその会社(H社としておく)とは、縁もゆかりも無い。
間を取り持ってくれた西田氏という、ある会社の社長が、僕を推薦してくれたのがきっかけだった。
当時、僕は妻を亡くしたショックから立ち直ることが出来ず、勤めていた会社も辞め、ブラブラしていた。いや、ブラブラというのは適切ではないだろう。チャーリーのサンポ以外は、家から一歩も出ずにいたのだ。引篭もっていた。
後になって考えれば、この引き合わせは、西田社長が僕の事を心配しての事だった。
西田氏と僕は、年齢的には一回りも違う。勿論、西田社長が人生の大先輩。
西田社長は、某大手住宅メーカーの福岡支店長だった。それを、何を思ったか、輝かしい肩書きを捨て、二つの会社を同時に立ち上げたばかりだった。一つは、住宅のリフォーム及びメンテナンスを専門に行う会社。そして、もう一つは、チームウェアを作るショップである。全くと言って良いほど、関連性が無いのが不思議だ。
福岡最大の大学の側にショップを構え、学生相手にトレーナーやパーカーといった商材に、ネームを入れたり、キャラクターを作って貼ったりして商売にしていた。