小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

蒼空の向こう

INDEX|57ページ/147ページ|

次のページ前のページ
 

第13章・ニューヨーク

 1984年3月。
 成田発のANA機がニューヨーク上空に差し掛かった。
現地時間で午後7時を回っている。アナウンスでマンハッタンの夜景が見える事を知らせてくれた。機体がゆっくりと右旋回しているのが体感できる。
 小さな窓にニューヨーク、マンハッタンの夜景が見えた。
 僕は体が震えた。
 正規留学ではなくパーソンズのオープンスクールを選んだ。
 賢治とルームシェアでマンハッタンにアパートを借りた。マンハッタンの家賃の高さには驚いたが、それも自己投資だと自分を納得させた。
 手続きは全て賢治がやってくれている。ケネディ空港に迎えに来てくれる事になっていた。

 10年・・・・夢を描いてから丁度10年で辿り着いたスタート地点だ。 
 僕はニューヨークで沢山の「本物」を見た。そして、沢山の人と出会った。
1年が過ぎ、ニューヨークは厳しい冬。僕はコートの襟を立て、五番街を歩いていた。
 この時期は観光客も少ない。左手にプラザホテルがある。僕には縁の無い高級ホテルだ。右手にはFAO、有名なトイ・ストアがある。通りの腋には観光客相手の馬車が客待ちで退屈そうにしている。
  通りを横切るとセントラルパークに足を踏み入れた。リスが目の前を横切った。植え込みの側にも佇んでいる。僕はポケットから落花生を一つ取り出して放り投げた。
「すまんな・・・何も無いんだよ。これでガマンしてくれ

作品名:蒼空の向こう 作家名:つゆかわはじめ