蒼空の向こう
「うん・・・お父さんから聞いた。はじめちゃんは健さんとは違うって・・・でもね、はじめちゃん。恭子、最初にはじめちゃんを見た時から好きになったって・・・知ってるよね。悔しいけど一目ぼれだったって」
「・・・・それは聞いた」
「今のはじめちゃん・・・はじめちゃんじゃないよ・・・はじめちゃん、日雇いをしてるって言ってたけど、キラキラしてたもの・・・カッコよかったし、こんな人がいるんだって・・・だから、行っておいで」
「いいのか?」
「男がうだうだ言うんじゃないの!お店はなんとかなるよ。ああ見えてもお父さん、やり手なんだから」
恭子はそういった途端に声を殺して泣き出した。僕はその震える背中を抱きしめた。
「恭子・・・愛してるよ・・」
背中の震えが止まった。
「やった!・・・ひっかかった!・・・今の言葉・・・忘れないでね!」
「おまえ・・・騙したな!」
「男に二言はないんだからね・・・・戻ったら・・・・」
「戻ったら・・・?」
「お嫁さんにして!」