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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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蒼空の向こう

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 仕事を終え、重い足取りでアパートの階段を上がった。年も暮れようとしている。ちらほらと雪が舞っていた。玄関のドアを開けた。暖かい空気が押し寄せてきた。
 
「おかえり、はじめちゃん。お疲れ様!」

「来てたのか・・・・ただいま」

「はじめちゃん・・・おなかは?」

「店で食べたから平気だよ」

「そう・・・お風呂、沸いてるよ。寒かったでしょう?入ったら?」

「うん・・・恭子は?」

「私は先に使っちゃったから・・・でも、また入いろっかな!」

 他愛も無い会話をしながら服を脱ぎ捨てると、バスタブに身を沈めた。
 冷え切った体の末端が痺れる。突然、アルミのドアが開き、恭子が裸で入ってきた。
 
「狭いぞ」

「くっつきムシ」

 恭子はかかり湯をすると、笑いながらバスタブに体を捻じ込む。僕に背中を向けて体を沈め、身を委ねた。

作品名:蒼空の向こう 作家名:つゆかわはじめ