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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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蒼空の向こう

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「もうっ。はじめ君、来なさいよ。ほらっ」 
 強引に手を引かれた。僕は恭子の友人に紹介された。
 
「家で板前さんをやっている、はじめ君よ。さっき話していたでしょう」

「天才画家の板前さんね」

「そんなんじゃないですよ・・・お嬢さんが言ったんですね・・違いますから」

「私が思うんだから良いじゃない。こっちは、香織。山崎香織。で、こっちが多田悦子。えっちゃん」

「はじめまして、はじめです。」

 女が三人寄れば何かと煩い。僕は、質問攻めに閉口した。そろそろ、退散しようと思っていた。
 
「はじめ君、今日はお買い物?」

「あ、はい・・いえ・・ただ、ブラっと」

「ふーん。じゃあ、もう帰るの?」

「はい。そろそろ帰ろうかなと思っていました」

「じゃあ、一緒に帰りましょう」

「あーっ。恭子はいいなぁ」

「そうだ、そうだ・・ずるいよぉ」

「ふふっ。だって仕方ないじゃない」

作品名:蒼空の向こう 作家名:つゆかわはじめ