蒼空の向こう
大将は皆を紹介してくれた。
中島弘子(35歳、大将の妻友)、香月恭子(20歳、美術系の短大生、大将の娘)、田口ひろみ(25歳、劇団員)。そして、井上健太(35歳、板長)、田島純一(22歳、見習)、広崎太一郎(21歳、大学生)・・・である。
「はじめ君は・・・学生じゃなかごたるね・・・」
「はい・・・違います」
「どこで、働きよるとね」
「・・・・・千鳥橋です」
「千鳥?・・・・はじめ君は、日雇いば、しよるんね」
「はい」
「住まいは?」
「問屋街です。須崎にアパートを借りて住んでます」
「一人ね?」
「?」
「いや、彼女と一緒ね?ガハハハハ・・・」
「一人暮らしです」
「実家は何処ね?」
「長崎の・・・崎戸という小さな島です」