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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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蒼空の向こう

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 僕は受け取った前掛けを結ぶと、次から次に運ばれて来る小皿、大皿、茶碗、コップを洗いまくった。
 洗っても洗っても、次から次に運ばれてくる。
 店内の騒動は二時間程で落ち着いた。
 肩を叩かれた。振り向くと、その人がいた。僕をスカウトした人だ。

「いや〜〜いきなりで驚いたろ!?ばって、助かったよ。もう少しで落ち着くけん。飯、食って行きなさい」

「あ、飯は良いです」

「なんね。用事でもあるとね」

「いえ・・・用事はないですが・・・申し訳ないですから」

「ガハハハハ・・・遠慮せんで良かぁ・・・食って行かんね」

「・・・すみません。じゃあ、お言葉に甘えます」

「うんうん・・・・もう少しだけ我慢しちゃり」

「はい。ありがとうございます」

「がははは・・・・礼を言うのはこっちたい!・・・ガハハハハ・・そうそう、名前は何て言うとね。私はここの大将で香月と言います」

「はじめです・・・梅雨川はじめと言います」

「はじめ・・・ね。よかよか。見たところ真っ直ぐのようやね〜よかよか」

 何だか嬉しかった。
 
作品名:蒼空の向こう 作家名:つゆかわはじめ