蒼空の向こう
こんな場末の酒場では、計算の上なのだろう。その証拠に、酔客の目線は、男の悲しい性を剥き出しに、その揺れる胸と、挑発的な丸い尻を追っていた。
「いらっしゃいませ!・・・三名様ですか?」
末永が無言で首を縦に振ると、空いていたボックス席に案内された。
僕は、一番奥の角席に座った。
僕の横には良子。そして、向かいに末永が腰を下ろした。
僕は腕時計に目をやった。午後、11時を回ったところだ。
ホステスが丸い尻を揺らしながら、オシボリを持ってくると、方膝をついて、夫々に差し出す。
その際、短すぎるドレスは、股間を覆いきることが出来ずにホステスの官能が露になった。
ドレスに下着のラインが出るのを嫌ってなのだろうか、パンストだけで下着を着けていなかった。
白い肌を背景に、黒い炎が渦を巻くように、ベッタリと、張り付いている。
僕は目線をカウンターに逸らした。
「お飲み物は?」
「一本入れて」
「ありがとうございます!・・・何をお入れしましょう?・・・今なら、ヘネシー祭りでお安く・・・」
ホステスが話しきらないうちに、末宗は忙しく口を開いた。
「ヘネシー・・・俺は水割り。この人はロック・・・彼女は運転するから、ジンジャーエールね。あと、おつまみは適当に・・・」
「あ、はい。かしこまりました」



