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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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蒼空の向こう

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 僕は、1階の事務室に顔を出した。吉田係長が渋い顔で帳簿を見ていたが、僕に気づくと笑顔を見せた。吉田大紋は、先にも書いたが、現役のヤクザを兄に持つ、一見癒し系、実は怖い人物だ。
 今回、エージェントに情報をリークした業者の洗い出しに、その「兄」の力を借りると息巻いていたが、社長から宥められた様で、憤怒の矛先を向ける相手を無くし、意気消沈していた。
 
「吉田係長・・・」

「あっ、先生・・・すみませんね〜何だか、こんな事に巻き込んじゃって・・・」

「僕は、全然、大丈夫なんですけど・・・パートさんの仕事はどうなんですか?」

「来週から、ボチボチ出荷を始めるから、呼び戻しますよ・・・心配してくれてありがとうございます」

「そうですか・・・安心しました」

「先生・・・今日は、もう帰って良いですよ・・・末永の姿も見えないようだし・・・事務所も5時には閉めますから」

「そうですか・・・では、お言葉に甘えて・・・今日は、これで失礼します」

「ええ・・・また、頑張りましょう!」

「そうですね・・・頑張りましょう」

時計を見たら、4時少し前だった。
バッグをピックアップの助手席に放ると、エンジンキーをまわした。

 僕は、チャーリーの待つ、我が家へ車を走らせた。
 
作品名:蒼空の向こう 作家名:つゆかわはじめ