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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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蒼空の向こう

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「何で・・・お前が・・・何で、悪に手を染めた!?」

・・・悪に手を染める・・・何と言う陳腐な言葉。

 確かに、違法行為で儲けに走った会社の歯車になった事を言われれば、そうなのだろう。
 いや、人はそう見るのだろう・・・僕は自分の立場が悪くなっていく事には、然程、恐怖感も感じなかった。
 それより、悪に手を染めた・・・・と、以前、勤めていた会社の社長から、頭ごなしに言われた事が、僕には辛く感じた。
 僕は無言のまま、受話器から届く罵声を受け止めた。

「はじめ・・・広告賞まで獲ったお前が、なんで、そんな会社に居るんだ?なぜ、デザイン業界で才能を発揮しない?・・・お前が・・・・辛かったのは良く判る。でも、そんな会社で・・・」

「社長・・・そんな会社、そんな会社って言わないで下さいよ」

「・・・すまん・・・つい・・・許せ・・・。はじめ・・・一度、会社に出て来ないか。飯でも食おう」

「はい。暫くは身動きも取れないでしょうから・・・近々、窺います」

「うん。そうしてくれ・・・はじめ、すまなかったな」

「良いんですよ・・社長。本気じゃないって、判っていますから」

「そうか・・・じゃあ、必ず電話しろよ」

「はい・・・ありがとうございます」

「チャーリーは元気か?」

作品名:蒼空の向こう 作家名:つゆかわはじめ