蒼空の向こう
自分の気持ちが決まったと言うのに、神様の悪戯か・・・翌日、H社に激震が走り、それどころでは無くなった。僕の危惧が、現実となったのだ。
これまで、カメラ小僧を取りまとめていた組織が、攻撃を仕掛けてきた。
H社は、某巨大エージェントから訴えられた。
その力は半端ではなく、テレビ業界にまで及んだ。地方の、一雑玩メーカーの名前が、ゴールデンタイムに全国へと流れた。
商品の仮差押処分。その映像がテレビニュースで長々と流された。
H社は正しく蜂の巣を突いた様に慌しくなり、社長が姿を消した。
社員は、鳴り止まぬ電話の対応に必死だった。
そんな中、企画室だけは普段と変わらず蚊帳の外といった感じだった。
しかし、僕にとって困った事が起きた。
何処でどう漏れたのか、僕の名前が広告業界にリークしたのだ。
以前、勤めていたD社の社長から電話が入った。
「はじめ!・・・お前、何をした!」
「はぁ・・・」
「はじめの勤め先は、ファンシーグッズの企画室じゃなかったのか?」
「そうですよ・・・間違いじゃありませんよ」
「でも、お前・・・ニュースに出ていたぞ」
「ええ・・・あれも・・・一部です」
「知っていて、働いていたのか?」
「はい。知っていて、働いています」



