蒼空の向こう
「どうだい、はじめ君。今度、一緒に行かないかい?車は出すからさ・・・社の山村君に運転手になってもらうよ。彼は酒が全然駄目だけど、カラオケが大好きだから喜んでついてくるよ・・・金曜日でも・・・どう?」
「そうですね・・・」
「気の無い返事だね・・・ハハハ・・・僕は何時でもOKだから、電話を頂戴」
「ええ・・・その時は是非・・・」
「うん・・・さて・・・パートのおばちゃんでもナンパするかな・・・ハハハ」
西田社長は、ドレスも眩い綺麗どころに目をつけると、グラス片手に、大きな体を揺らして行った。
まるで、燐粉を撒き散らす蝶の群れに、吸い寄せられるようだった。
西田社長が飛び込んだ蝶の群れの中に、青いロングドレスの女性がいた。体が小さく動くたびに、ラメが煌く。
大きく開いた胸元には、豊かな乳房が深い谷間を作っていた。
僕は焦点が定まらず、その青く煌く乳房の揺れを、ただ、ぼんやりと眺めていた。時々、赤い唇が笑うと、その揺れは上下に大きくなった。
ブルーモルフォが、佐賀の鳥栖市にいる。行き先は、東京でも、大阪でもなかった。僕の心は揺れ動いた。
会いたい・・・という、切なる気持ち。そして、ブルーモルフォの真意。
「先生・・・さっきから、あの青いドレスのパートさんばかり見て・・・ああいう方がお好み?」
「うそ!・・・だれ?」
「あれは田中のおばちゃんだよ・・・先生には合わないよ。性格激しいし・・・年齢が一回りも違う」



