蒼空の向こう
だが、祖父の言葉はそれでは終わらず、僕の夢を砕いた。
「はじめには漁師は継がせん」
「えっ!」
信じられなかった。
この、大人の考えを理解する事は僕には出来なかった。
祖父はそれ以上、口を開かなかった。
僕は舳先に跨るように座って、じっと前を見た。理解できない。涙が溢れた。
今までの事が・・・弟子入りして漁のイロハを教わり、今さっき、漁師として認めてくれた祖父の事が理解できなくなった。
港に着くと、僕は一目散に家へと走った。島のおばさんたちが冷やかす。
「はじめ〜〜〜〜もっと、早う走らんね〜〜!」