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つゆかわはじめ
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novelistID. 29805
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蒼空の向こう

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「・・・バツは付いていないけど」

「付いていないけど?」

「結婚はしていた・・・昨年、死んだんだ・・・病気で」

「うっ!・・・マズったな・・・言葉が出せなくなった・・・先生、ゴメン」

「いいんだよ・・・立ち直っているから・・・ご心配なく」

「先生ゴメン!・・・さっき、カッコ良すぎるって言ったけど・・・無茶苦茶カッコ良すぎだよ・・・嫁とは死別・・・で、その経歴。いくらでも、女は寄ってくるんじゃない?」

「そんな事ないって・・・マジで困っているんだから」

「困ってる?マジで?それって・・・男としてって事」

「そう・・・マジで」

「良子を貸すよ」

 僕は、飲みかけのボジョレーを噴出してしまった。ボジョレーを噴出して、咽てしまった。

「先生!・・・大丈夫ですか!?」

 良子は、バッグからハンカチ取り出すと、ボジョレーで濡れた僕の太腿を拭いた。
 僕は、腰を折り曲げて咽び返す。そんな僕を心配そうに見上げながら、良子が囁いた。

「私・・・先生の事好きですよ・・・」

作品名:蒼空の向こう 作家名:つゆかわはじめ