蒼空の向こう
本来なら、許されない事だが、皆が手伝ってくれる事すらあった。それ以上は望んでいなかった。
ある日、平田社長が高級外車で企画部へやって来た。
平田社長は、1階の事務所に顔を覗かせただけで、吉田係長と共に、2階の企画室へ上がってきた。
満面の笑顔。理由は誰の目にも明らかだろう。
「先生!・・・ありがとう!クジが大当たりですよ。在庫も捌けるし・・・いやぁ〜思いつかなかったなぁ!」
「いえ・・・皆で練り上げた企画ですから」
「この調子で、これからもお願いしますね・・・そうそう・・・あさみちゃんがね・・・」
僕は社長が口に出した「あさみ」という名前に異常反応した。
「どうかしたんですか?」
「いや・・・先日、久しぶりに行ったらね・・・辞めたらしいんですよ〜先生が、早くモノにしないから〜」
「・・・そうでしたか・・・残念です・・・」
「でも、そんな子じゃ無いと思ったんだけどね〜・・・店を辞めるなら、相談してくれると思っていたんですけどね〜店の子に聞いたけど、突然だったらしいですよ・・・東京に行ったそうです。でも、あの子なら銀座でも通用するでしょう。スカウトにでもあったのかな・・・」
「東京に行ったと?」



