蒼空の向こう
「クジ?」
「うん・・・袋に入れて吊るすヤツ・・・必ず当たりを・・・写真を入れて・・・在庫も捌けるし・・・」
「!!!!それっ!いけるっ!」
「小売店には、セット販売できるから、売り上げも伸びるんじゃないかな」
「伸びる!・・・早速ダミーを作ろう!」
「じゃあ、僕はパッケージデザインを作るよ。袋は安っぽい方がクジって感じだよね」
「うん、うん!・・・平野、美香!・・・商品を集めろっ!」
「はいっ!」
こうして、「生写真クジ」が生まれた。
翌月には商品化し、全国のファンシーショップへと流通した。企画商品の売り上げは、翌月、一気に3千万を超えた。
当然、平田社長は喜び、僕は本社の人間からも認められた。出荷が間に合わない程の盛況ぶりだ。
パートタイマーの数も増え、会社自体は忙しいのだが、企画室は次の商品開発の為と言っては街をうろつき、戻って来ては、取り留めのない話に花を咲かせる。ただ、それだけだ。
時間を持て余した僕は、西田社長の仕事も、企画室の机を使ってやった。勿論、末永公認の下だ。
12月に入り、街には、クリスマスツリーが林立しだした。
売り上げが伸びたという理由で、社員にはボーナスが支給され、パートタイマーにも金一封が出された。
僕は外部の人間である。ボーナスなど期待もしていない。それよりも、企画室で西田社長の仕事が出来るだけで、収入は2倍になっている。



