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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夢の中へ」 第六話

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フロイト(フランシスコザビエルに続いてイエズス会が派遣した宣教師)にまどかの存在を知らせたマグダネイルの元にやがてフロイトからまどかを連れて上京するように依頼が届いた。
信長が興味を示し話したいと申し出たのだった。

「藤次郎様、宣教師のマグダネイルさんより安土城へ来るように言われました。信長様が私に会いたいとの仰せなんだとか・・・
少し迷っています。あなたのことを思うと・・・信長様に会うことはためらわれます」

夫の藤次郎は駿河今川の出身。父も母も弟も桶狭間の戦いで織田軍に殺されている。今はそれほど強く恨みを表に出すことは無くなっていたがまどかは心中を察すると気が引けるのだった。

「まどか・・・信長の誘いを断ったら、身に危険が及ぶぞ。そういう奴だから・・・長旅になるだろうから藤子は置いてゆけ。俺が何とか面倒を見ているから心配するな」

「それは・・・嫌です。藤子を置いてなんか行きたくありません」

「無理を言うな。ここから安土までどれぐらいあるのか知っているのか?」

「はい、解りますよ。駿河ほどは遠くないでしょう?休みながら参りますので大丈夫です」

「マグダネイルさまもご一緒か?」

「いいえ、迎えの方が参られるとか聞きましたが・・・」

「誰がお迎えに参られるのだろう?」

「聞いてはおりません」


天正元年も残すところあと一月となった霜月の末にまどかの住む兼山城下に迎えの者がやって来た。