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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夢の中へ」 第六話

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「マドカサマ。コレヲウケトッテクダサイ。アナタヲキットオマモリ、クダサイマス」

「どうして私だけに頂けるの?」

「ドオシテ・・・ナンデスカ・・・イタダケル?」

「Why do you give me ?」

とっさに英語で話してしまった。まどかは中学一年生の時にオーストラリアに一月ほどホームステイをしていて簡単な言葉が話せるようになっていた。

マグダネイルはオランダ人ではあったが英語は理解できた。元々出身がイギリスだったからである。

「マドカサマ!アナタサマハ・・・]

驚きを隠せなかったのはマグダネイルだけではなかった。藤次郎もあっけに取られていた。

「オーストラリアと言う国に少し住んでおりました。お分かりですか?」

「オーストラリア?ワカリマセン。マリアサマハアナタヲノゾンデオラレル。オアイシタトキカラ、キメテイマシタ」

「光栄です。大切にしてお祈りしますからご安心ください」

「マタ、ゼヒオコシクダサイ」

「そうさせていただきます」

帰り道藤次郎はまどかにいまさらのように自分との違いを感じさせられていた。
薄学な自分を恥じるようになり、進んで字を書いたり、書物を読むように変わって行った。もちろん英語もまどかから学んでいた。