神様ソウル3
学校にいる間はレイカの存在に心を張ることもなくゆったりとした気持ちで過ごすことができた。そして授業が終わり放課後。
「課長」
「わかってるわかってる」
課長がバッグに教科書を放り込みながら何度も頷いた。
「なんだかんだで今日も一緒か」
「仕方ないでしょう」
「レイカと一緒にいるのってそんなにダメなことなのかなー」
「当たり前です」
「レイカが傍にいるとすごい落ち着くんだけどなー。あー嫁ぎたい」
「百歩譲っても課長は嫁ぐ方じゃないでしょ……」
「魂が奪われるってそんなに大変なことなのか?」
帰路の途中、課長が飲み干したペットボトルをゴミ箱に放り込みながら言った。
「そりゃそうですよ。業も徳もぶち抜けた量を持ってる課長の魂は相当な価値がありますし、課長という優秀な人材を失うことは天界にとっては大きな損失です」
「優秀なんだ、俺」
「里見ヒロトじゃないですよ。課長のことです」
「一体その課長ってのはどんな奴なんだ?前から課長課長って俺のこと呼んでるけど」
「どういう人、というと一言で表すのは難しいんですが」
そう言って私は始めて課長、B-2154番と出会った日のことを思い出していた。