神様ソウル3
「ただいまー」
一時間程すると、課長が大きなビニール袋を両手にぶら下げて帰宅した。
「おかえり」
「おかえりぃー!!」
もの凄い勢いで階段を駆け降りてきたレイカが私を押しのけて課長の体に飛びついていく。 「ばか……寂しかったんだから」
「レイカ……ごめんよぉ」
固く抱き合い、見つめ合う二人。レイカが目をつむって唇を突き出す。それに応えて課長も自分の唇を……。
「ってこらー!!」
間一髪のとこで私のミドルキックが課長の脇腹に突き刺さる。危ないところだった。
「い、痛い……」
「私の言ったこと覚えてます!?ちょっとは抵抗してくださいよ!」
「いやあの、据え膳食わぬは男の恥という言葉がありまして……」
「食っていい据え膳と食っちゃだめな据え膳があるんです!散々説明しましたよね!?」
「だって気持ちいいんだもん!レイカが傍にいると頭がふわふわして胸がドキドキして止めらんなくなっちゃうんだもん!」
「ま、まぁ辛いのはわかりますけど……」
「もうこの衝動に抵抗するかとは諦めた。だからテミス、俺がレイカに何かしそうになったらお前が何としてでも止めてくれ」
「……あばらの二三本は覚悟しててくださいね」
「一向に構わん。俺はテミスの邪魔が入るまでレイカと精一杯愛を育むことにする」
「あーそうですか……」
結局、私がこの呪いを解かなければ事態は良くならないということか。