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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夢の中へ」 第五話

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まどかは教えられた村長の屋敷内の離れに向かった。
門をくぐると案内役の兵士が近寄ってきて、丁寧に光秀が控えている間に案内をした。

「殿!お着きでございます」

「うむ、ご苦労。通されよ」

「ささ、履物を脱いで上がられよ」

供の兵士はかがんでまどかのわらじを受け取ると揃えて脇に置いた。


「呼びだてして済まぬ。遠慮は要らぬ、座られよ。織田家家臣、明智光秀と申す。覚えておいてくだされ」

「初めまして・・・藤次郎が妻、まどかにございます」

「まどか・・・珍しい名に聞こえるがどこの出身じゃ?」

「桶狭間でございます」

「そうか、遠方から嫁がれたのじゃな」

「いえ、向こうで一緒になりこちらへ参りました」

「そうであったか。心配せんでも良いぞ。そなたを見てハッとさせられたのじゃ。
生まれは明智村と言うここから10里ほど中山道を下った所にあるところだ。知っておるか?」

「はい、存じ上げております」そう言ってしまってからハッと気がついて顔が青ざめてしまった。

「どうしたのじゃ?気分が悪うなったか?」

「申し訳ございません・・・大丈夫でございます」

「そうか、安心した。そなたは何故明智村を存じておるのか?桶狭間よりは随分離れておろうが、誰かに聞いたのか?」

「聞き及んでおりましたとだけ申し上げます。お許しくださいませ」