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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夢の中へ」 第五話

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「おう、良くご存知じゃ!そうじゃ、むかしはのうここらへんのご領主様やったんじゃ。道三に攻められてお家は潰され一族はバラバラになってしまわれた。奥方様と遠方へ逃げ延びられて今では信長様の家臣となられておるそうじゃ」

「そうでしたか。その方が参られるのですね?」

「そうらしい。しかしじゃ・・・聞いておろうが比叡山を焼き討ちした張本人ゆえみんなが恐れておるんじゃ。逆らったらここも焼き討ちされるとな」

「恐ろしいことを・・・そのようなことにはなりませんからご安心なされませ」

「そなたはどうしてそう断言できるのじゃ?」

「いえ、これは失礼しました・・・そう願っての発言でした。お許しくださいませ」

「いや、良いのじゃ・・・しかし不思議なお人じゃのう、そなたは」

「何がでしょうか?」

「うむ、言葉遣いとか物腰がじゃ。ここらへんの女子ではないと見たが・・・どちらから来られた?」

「桶狭間です」

「そうであったか!信長様とはきっても切れぬゆかりの場所・・・今のご様子はその時から始まったのかも知れぬな」

「始まった?何がでしょう」

「人を人とは思わぬ所業じゃ」

「光秀様もきっとそのことはお気にされていることでしょうね」

「なんと!そのようなことを考えておったのか!ますます解らなくなってきたわ。おっ!どうやら到着された様子じゃ。見に行くとしよう」