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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夢の中へ」 第五話

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この年も師走に入り山沿いの村は桶狭間より気温が低く寒い日が続いていた。
綿を縫いこんだ着物を世話になっている親方の女将さんにまどかは作ってもらって着るようになった。少し重い感じがしたが温かくて過ごし易くなった。

今日は隣村の街道沿いにある広場で陶器の市が開かれる事になっていた。朝早くから藤次郎は親方と一緒にそちらへ向かって出発した。
遅れてまどかは女将さんと一緒に藤子を伴って市に向かうことにしていた。

まどかが広場に着くと人だかりが出来ていて買い物客じゃないその集まりに「なんだろう」と尋ねてみた。

尋ねられた村人がまどかを見て、

「これは藤次郎の奥方。いつもお綺麗じゃのう。羨ましいわい。どれ娘ごを見せてくれ」

そういうとまどかの抱いていた藤子を覗き込んだ。

「なんと言う色の白い可愛い女子じゃ!お前さんにそっくりじゃのう・・・ええ嫁ごになろうぞ。藤次郎は果報者じゃ」

「ありがとうございます。いかほどの集まりなのですか?」

「そうじゃった。明智の領主様が今日お見えになるとみんなが話しておったぞ。知っておるか?」

「明智の・・・光秀様ですか?」