小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ちぎれた世界にて

INDEX|6ページ/32ページ|

次のページ前のページ
 

第2章 船旅



 石井たちはディナーの時間まで、船内を探険したり、綺麗な夕焼けを眺めたりして過ごした。島への到着は翌日で、彼らは、短いけども初めての船旅を、おおいに楽しんでいた。

「楽しみだな〜♪」
ディナーで、藤林が楽しそうに言った。広いダイニングルームには、この旅行の参加者である120人とスタッフがいた。
「どんな島なんだろうな」
石井がステーキをほうばりながら言う。
「可愛い小鳥さんがいるといいな♪」
高倉がワクワクしている口調でそう言うと、

「クスクス」

という静かな笑い声が、すぐ隣りのテーブルから聞こえてきた……。宮武がイラッとした様子で、すぐ隣りのテーブルにいる参加者のグループを見る。
 なんと、隣りのテーブルにいたグループは、乗船のときに怒ってきたあのグループだった……。当然だが、宮武は、それを知るとさらにイラッとした……。
「アンタ、リベンジしなさいよ」
宮武が小声で藤林に、乗船のときと今の仕返しをするように言う。
 藤林は少し考えた後、
「大学名に『外国語』という文字がある大学って、Fラン大学だよな!!!」
と大声で叫んだ。あのグループに白人が2人いたことから海外交流が多い大学のサークルだと予想してのセリフだったが、あのグループは全員がポカンとしているだけで、藤林の予想は外れたようだった。しかし、
「なんだと!!!」
やまさん(作者)がいた大学にいる大学生よりも頭が悪そうな大学生たちが怒声をあげてきた……。どうやら、大学名に『外国語』という文字がある大学にいる大学生のようだ……。1グループ4人だけでなく、数グループもおり、叫んだ藤林たちのテーブルを取り囲んだ……。
「すみません。コイツなら、ご自由にどうぞ」
「オイオイオイオイ!!!」
藤林は、宮武に見捨てられた……。石井と高倉は他人のフリをしていた……。
 彼はディナーを中断し、その場に土下座して、許しをこうた……。数グループの大学生たちは、その土下座にやれやれとした様子で藤林を許し、自分たちのテーブルへと戻っていった。


「ふぅー、美味しかったな!」
藤林が先ほどの騒動を忘れたような感じで言う……。
「あれから恥ずかしくて、ゆっくり味わうことなんて、できなかったよ」
石井がため息をつきながら言う。
 ディナーを終えた彼らは、自分たちの部屋に戻ることにした。映画を観たり、船のデッキで時間を潰すこともできたが、明日上陸なので、今夜は早めに寝ることにしたのだ。石井たち以外の多くのグループもそのつもりらしかった。

作品名:ちぎれた世界にて 作家名:やまさん