ちぎれた世界にて
「ギャア!!!」
そのとき、博士のそばにいた栗林が悲鳴をあげた……。
栗林は、操作コンソールの近くに転がっていた研究員のボロボロゾンビに、足を噛まれていた……。研究員のゾンビは、骨だけになった両手で彼の足を捕まえていたので、離れようとした彼は、仰向けに転ぶことになった。そして、近づいてきたゾンビたちが一斉に彼に襲いかかった……。彼はゾンビに喰われながら悲鳴をあげていた……。
パンッ!!! パンッ!!! パンッ!!!
彼は拳銃を乱射し、そのうちの数発が、異次元との穴を作りだした機械に命中してしまった……。
ギュルルルルル!!!
すると、その機械は、腹の虫が鳴るような音ととも暴走を始めた……。機械からの電流が大部屋のあちこちに飛びまくっていた……。
「機械が壊れてしまった……」
栗林が断末魔の叫びをあげる中、博士は呟いた……。
「博士、とにかく逃げましょう!!!」
助手に促された博士は、ゾンビが自分を襲いかかろうとしていることに気づいた。彼は栗林が使っていた拳銃を拾うと、そのゾンビを撃ち倒した。そして、博士たちは無我夢中で、大部屋から脱出し、ドアを急いで閉めた。
そのとき、あの機械の暴走は最高点に達したらしく、これ以上無いほどの激しい白い光を放った……。その光は一瞬で壁を通り抜けて、研究所全体を包みこんだ……。そして、次の瞬間には光が消えていた……。