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夢の続き

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「おいおい地球の一郎、これは俺のカミさんだよ」
 一郎Cさんから横槍が入った。しかし、これで高見沢はハッと気付かされる。C星は地球の裏返し、C星の夏子さんも在世(ざいせい)されているのだと。これで高見沢はC星の存在を実感できた。

 それからというものは、C星の高見沢夫妻に甘えて、ゆったりと寛(くつろ)いだ。そして高級調度品が並ぶ洋室で、夏子Cさんの手作りのC星フランス料理をご馳走になった。

 午後には高級外車で観光に連れて行ってもらった。訪問した所は高見沢の地場の観光地とまったく同様のものだった。しかし、おったまげた。とにかく一郎Cさんは羽振りが良かったのだ。それで土産も一杯買ってもらった。
 さらに高見沢は感心した。夏子Cさんは夫の影を踏まず、いつも亭主を支え、実にお淑(しと)やかに振る舞う。そこに古き良き時代の、あるべき妻の姿を見たのだ。高見沢は感慨深く「うーん」と唸ってしまった。

 こうして御機嫌な時間も過ぎ、高見沢はCさん夫妻に暇(いとま)を乞い、もと来た時空トンネルを通って地球へと戻って来た。


作品名:夢の続き 作家名:鮎風 遊