ハリーの憂鬱
目見当だが十四、五キロくらいだろう。年齢は、これも見た目だが、生後、半年から一年。歯を見ればおよその年齢も判るのだが、今は近づくことも覚束ない。
先ずは保護が最優先だ。誰かが保健所へ通報すれば・・・いや、僕が先に保護しよう。それから、ありとあらゆる手を使い飼い主を・・・それが無駄なら里親を捜そう。
僕の心は、あの鋭い、何物も信用しない目を見た時、既に決まっていたような気がした。
冷静に考えれば大変な事だと思う。だが、僕の体に流れている血は彼達の痛みを知っていた。
とに角、僕は覚悟を決めた。