ハリーの憂鬱
迷い犬が・・・しかも、同じ素材の首輪をつけた、同じような犬年齢の子が三匹。
捨てられた事は火を見るより明らかだろう。それより、三匹で留まるのか?もっと増えるのでは?その事を考えたら空恐ろしくなった。
僕は頭から水を被ったように覚醒した。
三匹目を観察してみた。
大きさは、他の二匹とほぼ同じだが、明らかにオスだと判った。
鼻先が少しだけ白くなっている。そして、四肢の先がソックスを穿いているように白かった。
胸元も白い。
鳶色の目をしている。
そして・・・・・目と目が合った。
第一印象は・・・「悪そう」・・・だった。
他の二匹と比べると明らかに・・・可愛くない。
鋭い眼光の奥には、何者も信用しない深い傷めいたものがはっきりと見えた。青い首輪が喉元に食い込んでいる。いや、本来は緩かったのかもしれない。子犬はあっという間に成長する。その過程を彷徨っていたのかもしれない。アバラがくっきりと浮いていた。
僕はドアノブを回した。
蒼い首輪は、デッキを飛び越えて藪の中に走り去った。その後を黒とボーダーが追っていった。
「三匹・・・・か・・・・参ったな」
僕はコーヒーを入れながら、善後策を考えた。
家犬(チビ達)が五匹。捨て犬三匹。計八匹。
捨て犬はどれも似たような大きさだ。