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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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ハリーの憂鬱

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ゆっくりと両手を差し出す。

「ハリー君・・・・・・大丈夫よ・・・ハリー君、家族になってくれる?」

相変わらずハリーの目は泳いでいる。
決して合わそうとしない。
ハリーの口元が引き攣り、限界のように感じた。

僕は、ハリーが我が家に来てからの事を、家族に向かって話した。
ラブとハイジが先にやって来て、遅れてハリーがやってきた事。
最初は、中々なつかず、ご飯を食べると逃げるように消えていた事。
保護した時に暴れたこと。
保健所の職員に捕獲された事。
フリスビーを覚えた事。
そして、頑張って、寒い冬を乗り越えたこと。
家族は、僕の話を黙って聞いていた。
奥様は、涙を浮かべながら、黙って頷いていた。

「・・・そういう訳です。一旦、心を開けば、必ず忠犬になります。」
「沢山、辛い事があったんでしょうね・・・でも、凄く可愛いです・・・ハリー君を頂いても宜しいですか?」
「大丈夫ですか?」
「はい!頑張ります」

僕は、話をしながら、顔族の気持ちを感じ取ろうとした。
少しでも家族を知る時間が欲しかった。
ハリーの幸せが係っている。
ハリーが幸せを掴むことは、同時に、僕が幸せを感じる事なのだ。
作品名:ハリーの憂鬱 作家名:つゆかわはじめ