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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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ハリーの憂鬱

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僕は、ハリーの横に立つと腰を屈めてハリーの首筋を撫でた。
ハリーの様子を見る。
家族とハリーの距離、三メートル。
最初に動いたのは奥様。
二歩近づいて、距離二メートル。
腰を屈めた。

「ハリー君・・・こんにちは・・・」

ハリー・・・動かず。

「ハリー君・・・こんにちは・・・仲良くしてくれる?」

ハリー・・・目をそらす。

「ハリー君・・・」

ハリーは、何度呼ばれても目を合わせようとはしない。
そっぽを向いたまましっぽも下がったまま。

「翔太も呼んでみて・・・」

翔太君が、急に近づいた。
ハリーが翔太君に向かって・・・吠えた。
翔太君は驚いて硬直・・・一歩下がる。

「翔太が急に動いたから、ハリー君がビックリしたのよ・・・ゴメンね、ハリー君」

奥様が腰を屈めたまま二歩前進。
その距離、一メートル。
作品名:ハリーの憂鬱 作家名:つゆかわはじめ