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つゆかわはじめ
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novelistID. 29805
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ハリーの憂鬱

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最近はフリスビーをやっても、フェイントを仕掛けてくる。
最初は普通にジャンプして、見事に咥えてみせる。
しかし、何度もやると、飽きてくるのか、僕が投げたフリスビーを、取ると見せかけて、前足で払い落とすのだ。
一度、払い落とすと、もう口では咥えない。落とし続ける。
元来、僕は、犬に芸を仕込むのが得意でも無いので、それが、お終いの合図となる。
それでも、充分、アピールするに足りる技だとは思うのだが・・・。

土曜の夜。僕は早めに帰宅すると、皆を連れて散歩に出た。
早目と言っても、午後八時を回っている。

春の朧月が山の上に昇っていた。
チビ達に引かれながら裾野まで向かう。
ハリーは少し離れて着いてきた。
何度、こうやって歩いただろう。
大変な事が沢山起きた。でも、嬉しいこともあった。
明日、お見合いが上手く行けばハリーともさよならだ。
あの、夏の日の事件から十ヶ月。ハリーとの思い出が頭の中を駆け巡った。
作品名:ハリーの憂鬱 作家名:つゆかわはじめ