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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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ハリーの憂鬱

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約束の日。
日曜日。

僕は、何時ものように、朝の散歩を済ませると、ハリーを車に乗せて会社に向かった。

僕は、この二日間、不安と期待に翻弄されて少々疲れていた。
色々考えても、落ち着くところは決まっている。
なる様にしか、ならない・・・である。
だが、最大限の準備はしたかった。

ハリーを風呂に入れた。案の定、大暴れし、その表情たるや鬼神の如く、であった。
僕は大笑いしながら、ハリーの体を洗った。
大笑いしながらも、切なくて涙が出た。

リードも新調した。
海岸線を走る。
車の窓を少しだけ開けると、ハリーは鼻先を突き出している。
海の匂いが届いているだろう。不安な様子は窺えない。
会社に着くと、デッキに繋いでその時を待った。

お昼過ぎに、里親候補の柳瀬さんから電話があった。

「もしもし・・・柳瀬です」
「あ・・・どうも・・・予定通りに来られますか?」
「はい。これから家を出ます。三時にはそちらに着くかと思いますので、宜しくお願いします」
「そうですか・・・お待ちしています。お気をつけて」
「はい・・・では、後ほど・・・」
作品名:ハリーの憂鬱 作家名:つゆかわはじめ